はかせのコラム 未来の仕事をつくる力

未来の仕事をつくる力

今の子どもたちが大人になる頃には、現在の仕事の半分が無くなって、新しい仕事が生まれると言われています。単純な仕事はコンピュータに置き換わり、コンピュータにできない仕事が生き残り、そしてコンピュータを応用したところに新しい仕事が生まれます。そんな時代に備えて、今できることはどんなことでしょうか。コンピュータに対する理解の大切さについては既に述べましたので、それ以外の部分について考えてみたいと思います。

コンピュータの性能は年々向上しています。しかし、人間の発想がそれに追いついていません。未来の人たちから見て、今の人間がもっと発想豊かであったら、とっくに発明されていても良さそうなものがもっとあるはずです。未来に向けて今やれることは、発想が豊かな人間になるにはどうしたらよいか、誰も考えないようなことを考えるにはどうしたら良いか、ということです。

何人もの子どもに接していると、誰も考えないことを考える能力は、子どもには最初から備わっているように感じることがあります。それが、残念なことに大人になるに従って消えていってしまう。消える原因は知識だけを重視した勉強です。表面的な知識は発想を固定化します。知識を受け入れるだけで、改良することも否定することもできないからです。

小さいときに(特に体を使った)いろんな経験を沢山しましょう。まずは自分の中に経験の種を沢山蓄えることが重要です。その上で他人の話に興味をもったり、本を読んだりしましょう。知識として知った他人の経験に、自分の経験を照らし合わせて考えることで、知識が具体性を持って想像できるようになるはずです。自分の経験が何倍にも膨れあがるのです。逆に自分の経験が貧弱なまま知識だけを獲得して行くと、沢山の情報に溺れるだけです。何も主体的に行動がとれなくなります。
経験を積むという姿勢は、大人になっても続けるべきでしょう。何か本に書いてあったら、本当かどうか試しにやってみる、という態度です。経験の種をどれだけ持っているか、それが発想法の鍵だと思います。